メキシコペソの現状と展望
目次
政策金利:7.50%(2018年/3月現在)
アメリカ合衆国経済の好影響を受けて、安定した運用が期待できる
スペイン語を公用語とする国家の中では、最大の人口を有するメキシコ合衆国は、連邦共和制で北部はアメリカ合衆国と接し、南東はグアテマラと国境に接しています。
現在のメキシコには、15世紀から16世紀にかけて、アステカという国家が繁栄していました。
しかし、スペイン人のエルナン・コルテスがアステカを滅ぽし、それ以降は、約300年間スペインの植民地となります。
1810年より始まったメキシコ独立革命の結果、1821年に第一次メキシコ帝国が建国されます。
米国の隣にあることが大きなメリット
メキシコは、世界一の経済大国、米国の隣にあることは大きなメリットです。
好調な米国経済に刺激されて、メキシコの経済も安定して伸びています。
メキシコは、カリブ海沿岸地域を中心に多くの油田が点在していて、石油が大きな外貨獲得源です。
鉱物資源はそれ以外に銀・オパール・銅の採掘も盛んです。
それらの資源を、米国と陸続きであるため米国向けは陸送出来るという大きなメリットがあります。
インフレ対策で高金利維持か?
メキシコペソ円は、南アフリカランド円同様、リーマン後の値動きは安定しており、レンジ相場になっているといえます。
高いスワップポイントを維持するためには、政策金利が下がらないことか重要です。
メキシコペソの政策金利の見通しは、インフレ対策としてしばらく上昇していくという予想があります。
メキシコ政府は物価上昇率4%を目標にしていますが、現実には6%前後になっているため、利上げによる調整はしばらく続くと見られています。
メキシコの抱えるリスクについて
メキシコの治安の悪さは有名で、それに加え、麻薬組織の力が非常に強く、組織同士、ある
いは組織と政府間で武力紛争が絶えません。
組織間の抗争により、毎月1000人ほどが命を落とすこともあります。
現在、米国に流入する外国製麻薬の70%が、メキシコの麻薬組織の支配下にあるといわれています。
その為、トランプ大統領の対メキシコ政策の一環として、不法移民に加え、麻薬の密輸への対策を強化すべく、米国とメキシコ間の国境約3000メートルに壁を作ろうとしています。
実際は1994年から一部国境にはフェンスが作られています。
トランプ大統領の公約は予算案の時点で停滞し、試作の壁が作られたにとどまっています。
メキシコペソ円のスワップポイント運用法のまとめ
- リーマンショック後の値動きに絞ってチャート分析をすると、おおむねレンジ相場になっており底は堅い
- 2014年の8円台から2016年の5円台への下落はあるものの、値動きは安定している
- 強国に隣接しているメリットは大きい物価上昇率がやや高く、高金利はしばらく維持されそう
*グラフの画像引用:FX攻略.com2018年5月号 21ページ